自分の身体の健康状態や美容状態に100%満足している人は少ないです。ほとんどの人が頭痛や便秘、肥満、肌荒れ、憂うつな気分などの未病(病気ではないが身体や心が健康的でない状態)や、高血圧、脂質異常、うつ病、がんなどの病気を改善したいと悩んでいます。

未病や病気は、それまでのその人の生活習慣に原因がある場合が多いです。もちろん病気には遺伝性や先天性のものもあります。しかし、私たちの身体に備わっている本来の働きを阻害するような食生活や生活習慣を続けてきた結果、いま起きている症状に悩んでいる人が圧倒的に多いのです。

いま起きている症状(未病や病気)に対して医薬品(薬など)で治療をすることも大事ですが、その症状を引き起こした根本的な原因に目を向け、食生活を整えて本来の身体の機能を取り戻すことが健康的な生活の持続に必要です。その手段の一つとして健康食品(サプリメントなど)の利用があります。

サプリメントの中でも血液や脳の状態に効果的であるとされているDHA・EPAサプリメントを摂取している人は多いです。特にコレステロールや中性脂肪の改善、脳の活性化を期待してDHA・EPAサプリメントを手に取る人が増えています。

ここでは、健康の保持増進のために摂取するDHA・EPAサプリメントと他のサプリメントや健康食品の飲み合わせについて述べていきます。一緒に摂取した方がより効果的なものがあるのか、また飲み合わせで気を付けるべき健康食品があるのかを確認していきます。

DHA・EPAサプリメントをより効果的にする健康食品

DHA・EPAサプリメントは魚やオキアミ、海藻を原料に油を抽出して作られるサプリメントです。DHA・EPAはオメガ3脂肪酸に分類され、食品では魚を摂取することで補えます。

厚生労働省はDHA・EPAの1日摂取目安量を1000mg、オメガ3脂肪酸として1日摂取目安量を2100mg(20~49歳・男性)に定めています。摂取が必要とされる理由を下にまとめます。

〇血管の壁や赤血球の膜をしなやかにするため、血液を流れやすい状態にする

〇身体中の細胞膜を柔軟にするため、栄養や酸素の吸収、細胞同士の情報交換、老廃物の排出能力を上げる

〇脳内神経細胞の膜を柔軟にするため、脳内情報交換をスムーズにする

〇身体や粘膜、脳に起きる炎症を抑制する

DHA・EPAにはこのような効果を期待できるため、魚料理の摂取が勧められています。ただ、毎日魚料理を食べることが難しい人が多いため、サプリメントで摂取しようと手に取る人が多いのです。

上のようなDHA・EPAの働きは、本来の細胞の働きを取り戻す意味でもあります。現代人の食生活は、サラダ油や糖の過剰摂取などが問題視されており、細胞の働きを阻害する食習慣をしている人が多いのです。

DHA・EPAサプリメントで改善を期待できる未病や病気には、血液状態の異常(血圧、コレステロールなど)、頭痛・肩こり(血行が良くなるため)、下痢・便秘(腸粘膜の炎症が改善されるため)、うつ病(脳内の情報伝達がスムーズになるため)などさまざまです。

これらDHA・EPAの効果をより実感できるため、いっしょに摂取した方が良い健康食品はあるのでしょうか。

DHA・EPAサプリメントと乳酸菌

まず意識したいものは消化吸収能力をアップさせる健康食品です。DHA・EPAサプリメントは口から摂取し、胃を通過し、小腸から体内(血液中)に吸収されます。そのため、腸内環境が整っていることで、サプリメントの成分はより吸収されやすくなります。

日ごろの食事から乳酸菌が含まれる発酵食品(ヨーグルト、納豆など)、食物繊維が含まれる野菜・海藻を摂取することは大事です。ただ、便秘や下痢の症状が既にある場合などは腸内細菌のバランスが崩れている可能性が高いので、乳酸菌サプリの利用なども有効手段の一つです。

また、乳酸菌はサプリメントだけではなく、青汁などさまざまな健康食品に含まれていますので、それらの利用も良いでしょう。

しかし、甘い飲料やお菓子などの「乳酸菌入り商品」は、必然的に糖分もたくさん摂取してしまうことになります。糖分は腸内悪玉菌のエサになるものなので、腸内環境を整えるには糖分が含まれていないサプリメントや青汁などの利用をお勧めします。

さらに、腸内環境を整えてDHA・EPAサプリメントの吸収を良くするためには、食物繊維の摂取も必要です。しかし、キトサンなどの不溶性食物繊維をサプリメントで摂取すると、DHA・EPAを体外へ排出させやすくしてしまいます。

そのため、DHA・EPAサプリメントを摂取している期間は食物繊維をサプリメントではなく食品から摂取すると安心です。もしサプリメントで不溶性食物繊維を摂取したいという場合は、DHA・EPAサプリメントとの摂取時間を3時間以上ずらして飲むと良いでしょう。

DHA・EPAサプリメントと抗酸化サプリメント

DHA・EPAサプリメントの効率を考慮したとき、消化吸収能力と同様に重要になるものが抗酸化です。DHA・EPAは魚の油であり、とても酸化されやすい性質をもちます。油は熱・酸素・光の条件下で酸化が促進されます。

DHA・EPAが酸化されると、細胞を傷つけたり老化させたりするため、身体にとって酸化された油脂は有害となります。

そのため、サプリメントを製造する段階で低温、無酸素で作られているものが商品としては理想となります。また、サプリメント自体にもDHA・EPAの油とともに抗酸化物質(酸化を防ぐ物質)が含まれているものが望ましいです。

抗酸化物質として効果的なものは、ビタミンC・E、セサミン、ポリフェノール、アスタキサンチン、カロテノイド、カテキンなどです。カプセル内での魚油の酸化を防ぐために、これらが入っているDHA・EPAサプリメントを選ぶことが必要ですが、抗酸化物質をさらにプラスで摂るように心掛けると、より効果的になります。

DHA・EPAは体内に吸収されてからも、体内に存在している活性酸素によって酸化されます。そのため、体内での酸化を防ぐために抗酸化物質を積極的に摂取して、体内自体の抗酸化力を高めておく必要があります。

抗酸化物質は野菜や果物からでも十分摂取できますが、野菜料理をなかなか食べない人にはアスタキサンチンやビタミンのサプリメントを利用する方法もあります。

体内の活性酸素はストレスや加齢によって増加するため、抗酸化物質のサプリメントは「若返りサプリ」とも呼ばれていますが、過剰に摂る必要はありません。活性酸素は身体を傷つけるだけでなく、「体内に浸入した病原菌をやっつける」という重要な働きがあるからです。

基本は野菜や果物を食事から摂取して体内の酸化防止を心掛けるようにし、野菜などの摂取が難しいときは、サプリメントを上手に利用しましょう。そして、DHA・EPAの効果を有効にするために、抗酸化物質を摂取し体内の活性酸素発生を抑制することで、DHA・EPAの酸化も防ぎましょう。

水素の抗酸化力

また、体内の活性酸素を抑制するものとして、「水素」も有名です。水素を取り入れる方法として、水素水として飲むものや、水素ガスの吸入、水素水浴などがあります。水素水を飲む方法は取り入れやすいですが、飲料として水素を取り入れた場合、体内に水素が留まる時間は数十分です。

そのわずかな時間に細胞まで水素が届いて、活性酸素を除去することは難しいとされています。そのため、水素水を飲むことよりも水素水浴をして身体の皮膚呼吸により水素を全身から取り入れる方法の方が、体内の酸化防止には有効的です。

身体の抗酸化目的としてさまざまなサプリメントや水素商品がありますが、基本は食事のバランスであることを忘れずに、自分の中で取り入れやすい健康商品を選ぶようにしましょう。

DHA・EPAサプリメントとマルチビタミン・マルチミネラル

健康のためにサプリメントを摂取しようとしたとき、DHA・EPAサプリメントと同じように基本になるのが、マルチビタミン・ミネラルのサプリメントです。

「貧血気味だから鉄のサプリメントを飲もう」「風邪予防にビタミンCのサプリメントだ」「骨を強くしたいからカルシウムを摂ろう」と栄養素単体のサプリメントは選びやすいです。マルチビタミンのようにたくさんの栄養素をサプリメントで摂るのではなく、一種類だけの方が身体には良いのではないかと考える人もいます。

しかし、ビタミン(ビタミンA、B群、C、D、E、Kなど)とミネラル(鉄、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、銅など)は、全てチームでしか働けません。それらチームで摂取できるものがマルチビタミン・ミネラルサプリメントです。

テレビやネット記事で「奇跡のダイエットサプリ登場」「肌が○○歳若返るサプリ」のように魅かれるタイトルで健康食品やサプリメントは宣伝されていますが、そういったものに効果を感じられるのは、ビタミンとミネラルが体内に満たされていることが条件なのです。

ビタミン・ミネラルは単体では働けません。必ずチームとなって栄養を代謝し、エネルギーをつくり、身体が元気に動くように細胞をつくりあげています。

上の図のように、栄養素がそろうことで初めて「桶」としての役割を果たせ、一つでも栄養素が欠けていると水がもれてしまいます。つまり、機能を果たせなくなるということです。

例えばサプリメントでビタミンEだけ摂取して、体内にはビタミンEが100%あったとしても、ビタミンB6が50%しかなければ、ビタミン全体で50%の働きしかできません。同じようにミネラルでも、鉄のみサプリメントで摂取していると、亜鉛など他のミネラルとのバランスが崩れて、逆に身体に不都合な症状が起きます。

マルチビタミン・ミネラルは「○○に効く!」というインパクトがあるサプリメントではないため、あまり魅かれない人が多いかもしれません。しかし、サプリメントを摂取するのであれば、DHA・EPAサプリメント同様に身体の機能の基本となるサプリメントです。

しっかり含有量や原材料を見て良質なマルチビタミン・ミネラルサプリメントを摂取することは、良い細胞を作り出すことにつながり、DHA・EPAサプリメントの効果を感じやすくしてくれます。

DHA・EPAサプリメントとハーブ系サプリメント

ハーブ系サプリメントは、イチョウ葉エキス、レッドクローバー、エキナセアなど数多くありますが、草木の葉や実に含まれる成分が由来のサプリメントです。ハーブは海外では医薬品として扱われるものもあるほど、効果がはっきりしているものもあります。

ハーブ系サプリメントはマルチビタミン・ミネラルとは違い「○○に効く!」と表現しやすい成分がほとんどです。そのため、ついつい自分の悩んでいる症状に合わせて選んでしまいがちです。しかし、ハーブは摂取しなくても生きていくことのできる成分です。

私たち人間の身体は、ビタミン、ミネラル、脂質、たんぱく質など基本の栄養素が一つでも欠けると生きていけません。それら基本となる栄養素の不足があると細胞がしっかり働けず、さまざまな不調を引き起こします。

身体を作る基本となる栄養素が不足しているにも関わらず、いま出ている症状にだけ目を向け「○○に効く!」というハーブ系サプリメントを摂取していても、根本的な改善にはつながりません。

例えば、イチョウ葉エキスは「イチョウの青葉を乾燥させてアルコールで抽出させた成分」です。血管を拡げて血流を改善する作用があるとして、肩こりや冷え性、認知症の予防に効果的だとされています。

例えば、肩こりに悩んでいる人にとっては、マルチビタミン・ミネラル、DHA・EPAサプリメントなどをたくさん摂取するよりは、イチョウ葉エキス1種摂取した方が簡単で続けやすいと思うかもしれません。肩こりは血流の悪さが原因で起こることが多いため、血流改善に効果があるとされているイチョウ葉エキスに魅かれやすいです。

しかし、「肩こり」という症状を引き起こしている原因は基礎栄養素の不足にあります。普段の食生活での栄養素不足が原因であるため、そこを改善しないままハーブのみ摂り入れても、体内に起きている栄養素不足は冷えやイライラなど他の症状として表れます。

そのため、まずは基礎栄養素を体内に満たすことからのスタートが望ましいです。「ビタミンとミネラル、たんぱく質で血液と細胞の材料を補充し、DHA・EPAでしなやかに流れる血流をつくること」が症状改善の基本となります。

いまある症状の改善や健康を意識したときに、宣伝文句に魅かれやすいハーブ系サプリメントからスタートするのではなく、まずは生きていくために必要な栄養素が不足している身体に目を向けることから始めましょう。

DHA・EPAサプリメントとナットウキナーゼ

ナットウキナーゼとは、納豆のネバネバ成分に含まれるたんぱく質分解酵素のことです。ナットウキナーゼは血栓(血管内にできる血液の塊)の主成分を溶解(分解)する作用を持っており、血管の病気(脂質異常症・高血圧・糖尿病など)の改善予防を期待して摂取する人が多いです。

特にDHA・EPAも血管中の血流を良くするため、DHA・EPAサプリメントにナットウキナーゼが含まれている商品もあります。

納豆自体にナットウキナーゼは含まれていますが、納豆には「ビタミンK2」という血液を凝固させる成分も含まれています。そのため、ビタミンK2を除去したナットウキナーゼのみのサプリメントは、血栓溶解作用の面では納豆より優れているということになります。

そのため、血流を良くする効果をもつDHA・EPAとナットウキナーゼを併用することは、相乗効果となり血管の病気に有効です。

「血液をサラサラにする」と謳われている栄養素は他にも数多くありますが、ほとんどは血栓を予防するときに効果的です。それに比べてナットウキナーゼは「できてしまった血栓を溶解する作用」があり、すでにコレステロールなどが高値の人には頼りたくなる栄養素です。

しかし、血栓の原因となっている今までの食習慣をそのまま続けて、できてしまった血栓にのみ目を向けていても根本的な改善にはつながりません。このような血栓を作りやすくする食習慣は、サラダ油や加工食品の摂り過ぎ、野菜・海藻の不足、糖分の摂り過ぎなどです。

まずは普段の食習慣を見直した上で、血流改善につながる健康食品を摂取することで血管状態の根本改善につながり、健康的な血管を維持できるようになります。

DHA・EPAサプリメントとエゴマ油・亜麻仁油

エゴマ油と亜麻仁油は、DHA・EPAと同じオメガ3脂肪酸の仲間であり、健康番組などでもよく取り上げられています。エゴマ油と亜麻仁油に含まれているオメガ3脂肪酸はα-リノレン酸と呼ばれる脂肪酸であり、α‐リノレン酸を摂取すると、体内では「α-リノレン→EPA→DHA」と変換されます。

DHA・EPAに変換されるためα-リノレンが摂取できるエゴマ油や亜麻仁油が効果的であるとされているのですが、その変換率はわずか0.2~15%しかないとされています。そのため、オメガ3脂肪酸の1日摂取目安量をエゴマ油や亜麻仁油だけで補うのは難しく、魚料理(DHA・EPA)を摂取する必要があります。

オメガ3脂肪酸のサプリメントには、配合成分がDHA・EPAではなく、「亜麻仁油配合」と表記してあります。このとき、オメガ3脂肪酸を効率よく摂取するのであればDHA・EPAを直接摂取することをお勧めします。

また、調理油としてエゴマ油、亜麻仁油を摂取することも健康のために良いですが、これらは非常に酸化されやすい油であるため、加熱料理には適しません。使用するのであれば、サラダにドレッシングとして使用したり、調理後に回しかけたりなどして、封をあけたら早めに使い切るようにしましょう。

このように、オメガ3脂肪酸の摂取源はα-リノレン酸(亜麻仁油など)を中心に考えるのではなく、「DHA・EPAをいかに摂取できるか」ということを意識し、魚料理やサプリメントの摂取を心掛けましょう。

DHA・EPAサプリメントとの飲み合わせを気を付けたい健康食品

ここまで、DHA・EPAサプリメントと主なサプリメントの飲み合わせのポイントを述べてきました。では、DHA・EPAサプリメントの効果を上げるためには併用しない方が良いサプリメントはあるのでしょうか。

上でも述べましたが、キトサンなどの不溶性食物繊維は脂肪を吸着して体外に排出する働きをするため、DHA・EPAサプリメントとの併用は避けるべきです。不溶性食物繊維は水に溶けない食物繊維であり、ダイエット系のサプリメントに入っていることが多いです。

また、サプリメント以外でも「脂肪の吸収を抑える」と記載されているような健康食品をDHA・EPAサプリメントと一緒に摂取することは控えるようにしましょう。例えば豆乳に含まれている大豆サポニンは、腸での脂肪吸収を抑制する働きをするため、せっかく摂取したDHA・EPA(オメガ3脂肪酸)を吸収しにくくしてしまいます。

このように脂肪吸収を抑制してダイエットに効果的だといわれている健康食品やサプリメントとDHA・EPAサプリメントとの併用には注意するようにしましょう。

まとめ

ここでは、DHA・EPAサプリメントと他の健康食品(サプリメント)との飲み合わせについて確認してきました。DHA・EPAはオメガ3脂肪酸の一種であり、身体や脳を正常に機能させるためには欠かせない脂肪酸です。

そのDHA・EPAサプリメントの効果をより実感するためには、「胃腸を整えること」「身体の酸化を防ぐこと」「身体に必要な基礎栄養素(ビタミン・ミネラル)が補われていること」が重要になります。

野菜や果物、海藻などをしっかり摂取して身体の抗酸化作用を高め、ビタミン・ミネラルがチームで働ける身体にしておくことが、身体の機能の土台となります。土台が整った上で、DHA・EPAを摂取すると、効果をより感じられるのです。

野菜や果物など日々の食事でバランスよく摂取できない場合は、マルチビタミン・ミネラルや乳酸菌などの健康食品(サプリメント)も有効的です。

しかし、「サプリメントでビタミン・ミネラルを補っているから食事は適当でいい」と考え、普段の食事をおろそかにするのは本末転倒です。本来の私たちの身体には、「食べ物を歯で噛んで胃で消化し、小腸から吸収する」という機能が備わっています。

サプリメントでの栄養補給に頼っていると、本来持っている消化吸収能力が衰えてしまいます。「野菜や海藻の代わりにマルチビタミン」「肉や卵の代わりにプロテイン」と容易に考えるのではなく、まずは食事から補うことを心掛けましょう。