女性の3人に1人が目の下にできるクマについて悩んでいるといわれています。仕事やネット閲覧などで夜遅くまで起きていたり、眠れなかったりすると、睡眠不足によってクマはできると思われがちです。しかし、目の下のクマは寝不足だけでなくさまざまな原因から目立つようになってきます。

目の下にクマがあると、顔全体がくすんで見えたり、疲れが溜まっているようにみえたりするため、コンシーラーで隠そうとしている人も多いです。

また、クマは女性だけでなく化粧で隠すことのできない多くの男性にとっても悩みの種です。

ここでは、目の下にクマができる原因をクマの種類ごとに確認していきます。また、どうして目の下だけにクマができるのか、クマの改善にDHA・EPA(オメガ3脂肪酸)は効果的なのかについて述べていきます。

目の下にクマができるメカニズム

目の下にできるクマといってもクマの色によって原因は変わってきます。主に青・赤・黒・茶とクマを4種類に分け、それぞれのクマを作る原因を以下で確認していきます。

青いクマの原因

青いクマができやすい人は、身体のほかの症状として以下のような項目があります。

  • 貧血気味
  • 冷え性
  • 肩こりや頭痛がある
  • 睡眠不足や疲れがたまっている
  • パソコンなど目をよく使う仕事をしている

青いクマができる人の主な原因は血行不良です。血液は全身に酸素と栄養を運んでいます。普段の食事や運動習慣などから血流の悪さがある場合は、血液中の酸素が不足し、毛細血管には黒ずんだ血液が流れるようになります。

その結果、もともと薄い皮膚である目の下に、黒ずんだ血液が青く見えるようになるのです。

さらに、目周辺の毛細血管に酸素が行き渡らない状態では、目の下の肌細胞にも酸素が行き渡りません。そうなると、目の下の表皮(一番表の肌)も弱くなり、再生されにくくなることで、余計青いクマが目立つようになります。

常に貧血や冷えがあって血行不良が自覚できる場合は、ホットタオルなど当てて目の下の血行だけ一時的によくしても、クマの改善にはなりません。青いクマの解消には、顔の血行だけではなく、身体全体の血行を良好にする必要があるからです。

そのためには、まず血液の材料となるたんぱく質、ミネラル、ビタミン、脂質、糖質、水分をバランス良く摂る必要があります。肉や魚介類、卵、豆製品、乳製品、野菜、果物、海藻、発酵食品などをまんべんなく食べることが偏りのない栄養の摂取につながります。

特に鉄は血液の中でヘモグロビンとなって、酸素を運ぶ役割を果たします。

このイラストのように、いくら血液があっても鉄(ヘモグロビン)の量が足りないと酸素を全身の細胞まで運べないのです。だからといって鉄だけを単体のサプリメントで補うことは注意が必要です。鉄をはじめとするミネラルは体内で相対的なバランスを保つことで機能します。

全体的なミネラルバランスを考えないで鉄だけをサプリメントで補っていると、ミネラルのバランスが崩れ、身体には違う症状を引き起こしてしまいます。もしサプリメントで補うのであれば、マルチビタミン・ミネラルなど総合的に栄養素が含まれているものを摂取すると良いです。

また、血流の改善には血管の状態も大きく関係します。食事の栄養バランスをしっかり意識しているにも関わらず血行が悪い場合は、血液が流れにくい血管になっている可能性があります。

血行の悪さには血管の状態が関係してきます。普段からオメガ3脂肪酸(DHA・EPA)を意識して摂取していれば、血管の壁はしなやかになり、血液は流れやすくなります。そして、DHA・EPAは魚に多く含まれています。

一方オメガ6脂肪酸(サラダ油など)や酸化油脂、糖質(砂糖や小麦製品など)を多く摂取していると、血管の壁は硬く弾力がなくなり、血液は流れにくくなります。加工食品や惣菜、外食、コンビニ食品、お菓子など、現代人は無意識のうちにオメガ6脂肪酸や糖質を摂り過ぎてしまう食生活を送っています。

血液が流れやすい血管を心掛けるのであれば、オメガ3脂肪酸(DHA・EPA)を魚料理やサプリメントから積極的に摂取する必要があります。同時にサラダ油が使用してある加工食品や惣菜、お菓子などは控えなければなりません。

目の下のクマで悩んでいる女性の多くは、血行不良から引き起こされる青いクマです。ほかの貧血や冷えなどの症状がある場合はもちろん、血行不良の症状がなくても青いクマが目立つのであれば、血流の状態は意識するべきです。

赤いクマの原因

赤いクマができやすい人は、ほかに以下のような身体の症状があります。

  • 顔全体のたるみやシワが目立つ
  • 目の下のふくらみ(涙袋)が目立つ

目の下に赤いクマができる主な原因は目の周りの脂肪のたるみです。目の周りには眼球を守るために脂肪がついており、その脂肪は皮膚の内部にあるコラーゲン組織によって支えられています。

しかし、加齢や生活習慣の乱れと共にコラーゲン組織に弾力がなくなると、目の周りの脂肪にはたるみが生じます。その結果、目の下の皮膚ともに赤くたるんだ状態にみえるのです。

つまり、目の下の赤いクマを改善するためには、肌の内部のコラーゲン組織に弾力をつけることが必要となります。コラーゲン組織は食べ物に含まれているコラーゲンがそのまま肌の組織となるわけではなく、肌の内部にあるコラーゲン生成細胞にて合成されます。

そのため、「コラーゲン入りドリンク」や「コラーゲン入りサプリメント」などを摂取しても、肌のコラーゲン組織に弾力が出るわけではありません。

肉や魚からのたんぱく質、野菜や魚介類からのビタミン、ミネラル、発酵食品、水分などをまんべんなく摂取して、肌の内部細胞に滞りなく栄養が届けられることで、コラーゲン組織は合成されます。

また、コラーゲン合成細胞までスムーズに栄養や酸素を届けるためには血行の良さも重要になります。DHA・EPAを魚料理やサプリメントから摂取することで、血管内の壁はしなやかになり血液は流れやすくなります。

「目の下の赤いクマやふくらみ(たるみ)をいち早くなくそう」と考え、美容整形外科などで目の下にコラーゲン合成を促す皮膚再生療法や脂肪切除療法を試みる人もいます。そういった方法も赤いクマ改善の手段の一つではありますが、身体の中から赤いクマが作りにくい体質に変えていくことも必要です。

黒いクマの原因

黒いクマができやすい人は、ほかに以下のような身体の症状があります。

  • 目の下がくぼんでいる
  • 全体的に疲れ顔に見える

目の下の黒っぽいクマとくぼみが気になる場合は、目の周りを取り囲んでいる筋肉(眼輪筋)の衰えが原因になります。眼輪筋が衰えると、目の下にくぼみができて、黒いクマに見えます。そのような場合は、眼輪筋を鍛えることで黒いクマや目の下のくぼみは改善していきます。

眼輪筋は目の周りを囲っている丸い筋肉です。普段、目の下側のまぶたを動かしてまばたきすることはあまりありません。そのため使う頻度が少ない筋肉は衰えがちになるのです。つまり、意識的に下まぶたを動かすことで、眼輪筋は鍛えられます。

例えば、軽く上を見て、まぶしいものを見ているときにように目を細めます。そのとき、下まぶたで細めることを意識し、動かします。細めたら目を再度開き、この動作を繰り返します。

このように普段動かさない下側や横側の眼輪筋を鍛えることで筋肉の衰えは改善され、黒いクマや目の下のくぼみの改善につながります。

茶色いクマの原因

茶色いクマができやすい人は、ほかに以下のような身体の症状があります。

  • よく目をこする
  • 肌がくすんでいる

茶色いクマは色素沈着が原因になっている場合が多いです。肌の内部にはメラニンを作り出すメラノサイトという細胞があり、紫外線や身体の炎症、活性酸素を引き金としてメラニンを作り出しています。

メラニンは紫外線から肌組織を守るためのバリアなので、生成されなくてはいけないのですが、メラニンが肌から排出されずに残ったままになっていると、肌には色素沈着やシミとして存在し続けます。

そのため、茶色いクマが気になる場合は、メラニン生成の引き金となる紫外線や炎症をしっかり予防し、すでに生成されたメラニンは肌のターンオーバー(生まれ変わり)によって垢として排出させることが重要になります。

ただ、加齢や生活習慣の乱れによって肌のターンオーバーは正常に行われなくなります。その結果、メラニンによる肌への色素沈着が持続します。そのため色素沈着によるクマの改善には、「肌のターンオーバーを正常化し、スムーズにメラニン色素を排出する」ことがポイントになります。

ターンオーバーの正常化には、バランスの良い栄養をどんどん肌内部へ運び、新しい肌細胞の合成を促すことが重要です。外食やコンビニ食はどうしても栄養素が偏ってしまうため、さまざまな食品群を摂取できるように食事の取り方を意識しましょう。

また、睡眠不足の状態は細胞を再生させる成長ホルモンの分泌を妨げてしまいます。肌細胞をどんどん作り出し、肌のターンオーバーを促すためには、十分な睡眠を心掛けましょう。

さらにメラニン生成の引き金になる炎症は抑制させなくてはいけません。炎症を促進させるのはオメガ6脂肪酸(サラダ油など)と酸化油脂、糖質(砂糖など)です。

逆に炎症を終息・抑制させるのがオメガ3脂肪酸(DHA・EPA)です。加工食品や惣菜、コンビニ食品、お菓子を控えるとともに、魚料理を積極的に摂取しましょう。

同時にそれらの油の酸化を防ぐ抗酸化物質(野菜や果物)の摂取も心掛ける必要があります。酸化を防ぐことで、オメガ3脂肪酸はクマに対して有効的な作用をします。

どうして目の下だけにクマができるのか

ここまで、目の下にできるクマについて、クマの種類別に原因を確認してきました。目の下のクマは血行不良や色素沈着が原因になっています。では、なぜ目の下の肌表面にだけ血行状態や色素沈着が現れるのでしょうか。

それは、「目の下の皮膚がほかの皮膚に比べて薄い」ことと、「目の周りには皮脂腺が少なく乾燥しやすい」ことが原因となっています。身体のほとんどの皮膚は2mmほどの厚さに対して、目の下の皮膚は0.5~0.6mmほどです。

皮膚が薄いと、皮膚内部の血行の状態やメラニンによる色素沈着が肌表面に現れやすいのです。しかし、目の下の皮膚が極端に薄い人の場合は、皮膚に弾力をもたせて厚くすることが可能です。皮膚の内部にあるコラーゲン組織が加齢や栄養不足によって弱まっていると、表面の皮膚は薄くなりがちです。

そのため、目の下の皮膚に弾力をもたせてクマを目立たせないようにするには、皮膚内部のコラーゲン組織に水分をしっかり含ませる必要があります。コラーゲンで網目構造をしっかり形成するには、栄養を滞りなく肌に送り込む必要があります。

肉や魚、卵、野菜などまんべんなく食品を摂取し、同時に水分をたっぷり摂ることを心掛けましょう。さらに十分な睡眠をとることで、皮膚の再生を促すようにすると、目の下の肌にも弾力が出てきます。

また、目の下には皮脂腺が少ないこともクマを目立たせる原因となります。皮脂腺が少ないと肌は乾燥しやすくなり、少しの刺激でも傷が付き(炎症し)、色素沈着を起こしやすくなります。

「目はこすらないようにする」という認識がありますが、それは目の粘膜に傷や菌がつくのを防ぐためだけでなく、目の周りの皮膚に炎症を起こさせないようにする目的もあります。

クマが目立つとコンシーラーなど化粧で隠す人も多いですが、そういった場合クレンジング時に強くこすりがちになるため、注意が必要です。

このように、目の周りの皮膚は薄くてダメージを受けやすいことを意識し、過度な刺激を避けるようにしましょう。

睡眠不足がクマを発生させる理由

「睡眠が十分にとれなかった翌日、目の下のクマがひどい状態になっている」という経験をした人は多いかと思います。そのように前日の状態がクマとして現れるときは、長年の生活習慣による色素沈着やたるみが原因になっているわけではありません。

睡眠不足により起きている時間が長いと、目は使い続けるため、目の周りの筋肉は疲労してしまいます。通常であれば寝ている間に成長ホルモンが分泌されて、筋肉の疲労を修復するのですが、睡眠不足の状態だと筋肉は疲労したままです。

その結果、急激な血行不良を起こして、目の下のクマはひどい状態となるのです。

一方、寝過ぎてもクマができる場合があります。寝過ぎた場合、目の周りの筋肉があまり刺激されないことで血流は悪くなります。

このように寝不足の場合は筋肉が疲労し、寝過ぎの場合は筋肉が硬直して目の周りの血流は悪くなるのです。これが睡眠不足や寝過ぎによってクマが発生する理由です。

クマの改善にDHA・EPA(オメガ3脂肪酸)は効果的か

ここまで、クマの種類別に原因を確認してきました。クマができる原因は血行不良や色素沈着、肌のたるみなどありますが、いずれも肌の内部に良好な肌細胞が作られることがクマを改善するポイントになります。

肌細胞を作るためにはバランスの良い食事を摂ることも重要ですが、せっかく摂取した栄養も、血液の流れが良くないと、肌細胞まで届きません。食事のバランスを意識すると同時に、DHA・EPAを摂取してスムーズな血流を作らなくてはいけません。

毎日魚料理を食べる習慣がある人にとってはDHA・EPAをサプリメントで摂取すると、オメガ3脂肪酸の過剰摂取になってしまいます。しかし、魚を毎日食べない人にとってはどうしてもオメガ3脂肪酸は不足しがちになってしまいます。

厚生労働省からは、1日当たり「イワシであれば2尾、サンマであれば1尾、サバやブリなら切り身1枚を食べることで補えるDHA・EPA量の摂取」が推奨されています。それだけのDHA・EPAを補うことで血管や赤血球の膜はしなやかに保たれ、血液は流れやすくなるとされています。

そのため、魚料理を毎日食べる習慣がない場合は、サプリメントをDHA・EPA摂取手段の一つとして考えると良いです。その際は、DHA・EPAの酸化を防ぐため、低温で油を抽出したサプリメントを選ぶと良いです。

それは、DHA・EPAは空気中でも体内でも酸化されやすい油であり、酸化された状態のオメガ3脂肪酸が体内にあれば、血管はしなやかになるどころか、硬くなって血液は流れにくい状態になってしまうからです。

魚料理であれば酸化されていない「調理したてのもの」を食べ、DHA・EPAのサプリメントであれば抗酸化物質(ビタミンEなど)が添加されている製品を選ぶようにしましょう。

このようにDHA・EPAを毎日補うことで血行の状態を良好にし、目の下の肌細胞まで栄養や酸素をしっかり届けるようにすることがクマの改善には重要です。

目の周りのマッサージはクマの改善に有効か

目の下のクマ改善方法の1つとして、目の周りをマッサージする人もいます。マッサージをすれば目の周りの血行は良くなり、クマが改善されると考えているからだと思います。

しかし、目の周りの血行が良くないということは、身体全体の血行も良くない状態です。目の周りだけマッサージしても、血流が良くなり肌細胞まで栄養や酸素が運ばれてくるわけではありません。

血行を良くしたいのであれば、身体全体を使った運動をしたり、筋肉トレーニングをしたりする必要があります。

特に胃腸の周りの筋肉を鍛えることで、胃腸の働きはアップします。その結果、食べた物が消化吸収されやすくなり、食べ物の栄養素を効果的に細胞まで届けることにつながります。

目の周りの血行を良くしたい場合は、胃腸周辺の筋肉から意識することで、結果的に目の周りなど毛細血管にも良い状態の栄養が届くようになるのです。

さらに、自己流で目の周りをマッサージしていると、目の下の皮膚を刺激することになります。前述のように目の下の皮膚は大変薄いため、少しの刺激でも炎症を起こしてしまいます。その結果、色素沈着して、クマはより濃くなってしまいます。

ただ、「普段動かさない目の周りの筋肉を動かして強化すること」はクマの改善に有効です。眼球やまぶたを普段動かさない方向に意識して動かすようにしてみたり、顔全体の筋肉を動かしたりすることで、筋肉は鍛えられます。その結果、目の周りの毛細血管の血行が良くなり、たるみや色素沈着の改善にもつながります。

目の周りの血行を良くするのであれば、部分的にマッサージをするのではなく、全身を動かし筋肉を刺激することが重要です。

まとめ

ここでは、目の下にできるクマについて原因と改善方法を確認してきました。クマは血行不良や肌のたるみ、色素沈着など、さまざまな原因によってできます。

いずれの場合も、「血液によって目の下の肌細胞まで栄養と酸素をしっかり運んで、良好な状態の肌細胞を作ることがクマの改善には必要になります。そのためには血液の流れを良くしなければいけません。

「まんべんなく食品を摂取して血液の材料を補う」ことは血流改善に必要ですが、「DHA・EPAの摂取により血管の壁をしなやかにする」こともポイントとなります。さらに、DHA・EPAが酸化されてしまっては身体にとって逆効果になるので、新鮮な魚料理やサプリメントなどで補うと良いです。

同時にオメガ6脂肪酸(サラダ油など)は血管の壁を硬くして、血液を流れにくい状態にするため、クマを改善するためには避けなければなりません。加工食品や惣菜、お菓子などは控えるようにしましょう。

クマがあると疲れ顔に見えてしまうため、化粧などで隠したくなります。しかし、身体の中から整えることで身体全体の血行が良くなり、クマが改善されるとともに、美肌にもつながります。